済生会山口地域ケアセンター|社会福祉法人 恩賜財団済生会支部山口県済生会

済生会について

済生会生活困窮者支援事業『なでしこプラン』

 済生会は生活困窮者を支援する「なでしこプラン」を実施しています。
ホームレス状態の人や家庭内暴力(DV)被害者、刑務所出所者、障害者、高齢者、在日外国人等で、医療・福祉サービスにアクセスできない人たちを対象に巡回健診、予防接種、健康相談等を行うものです。

 済生会は、生活困窮者を医療で救済する「施薬救療」を目的として明治45年に発足しました。
その目的を果たす制度が、生活保護受給者をはじめとして低所得者の医療費を免除または減額する「無料低額診療(無低)事業」で、本会は医療施設を中心に広く展開しています。
しかし、現実には、こうした社会保障制度の対象とならない人、例えば所得が生活保護の基準以下でありながら保護を受けない人、あるいは少額の国民年金だけで生活している高齢者、着の身着のままで避難したDV被害者、更生保護施設で社会への復帰を目指している人等もたくさんいます。社会経済環境の変化に伴い、経済的困窮や社会的孤立などが深刻化しているのです。

 そこで、無低事業の対象者より広く、医療・福祉サービスにアクセスできない人々を支援しようとスタートしたのが本会の紋章を冠した「なでしこプラン」事業です。平成22~24年度の3年間で、延べ、316,207人を対象に無料で健康診断やインフルエンザワクチンの接種等を行いました。

(社会福祉法人恩賜財団済生会HPから転載)

済生会山口地域ケアセンターが取り組む生活困窮者支援事業(概要)

地域での生活を支える

1.山口圏域生活支援協議会  2010年1月~

毎月第4月曜日、地域の生活困窮者等の医療・福祉・介護サービス

等の支援を行うため、済生会山口総合病院や、山口保護観察所、山口刑務所等の相談・支援等に関わる全13機関の職員が集まり、情報提供・情報共有、事例検討など協議する場となっています。

それぞれの相談窓口だけでは解決が難しいケースについて、お互いの知恵を寄せ集めて打開策を探るような協議を重ねています。

2.生活支援協議会ネットワーク事業(山口圏域生活支援センター)2013年2月~

山口圏域生活支援協議会と関連する機関からもたらされた情報をもとに、生活困窮者が直面する具体的な問題を共に解決へ向けて取り組んでいます。身寄りがいなく、保証人の確保が困難な方への住居確保の支援や、フードバンクと連携・協力で食糧支援を行っています。

メンバーは、通常業務と兼務の体制ながら、山口地域ケアセンターの地域医療介護連携室のMSWや介護職員、事務職員のスタッフを中心に構成しており、必要なときにはすぐに出向くことにしています。

3.更生保護施設医療支援事業 2010年7月~

山口更生保護会が運営する「ひまわり寮」入所者を対象に、湯田温泉病院での外来診療等の医療支援を行っています。ひまわり寮入所者は犯罪をした人又は非行のある少年のうち、身寄りのない人、又は身寄りがあっても引き受ける人がいない等、環境を改善する必要がある人などを受け入れ、住居と食事を提供し、基本的には就労して自立するよう指導や援助を行う施設です。

刑務所出所後の就労支援

4.やまぐち再犯防止プロジェクト ~就職を見据えた職業訓練~ 2015年8月~

刑務所出所者の再犯防止を目的とした取り組みが、平成27年度に始まりました。出所後に介護福祉関係の職場に就労を希望する山口刑務所の受刑者を対象に「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」、平成29年10月からは実務者研修を実施し、資格取得と就労支援を行っています。講師は全て当センターの医療・介護・福祉専門職員が担当しています。研修の全課程を修了すると「済生会山口地域ケアセンター」から修了証明書を発行します。平成29年度までに介護職員初任者研修72人、実務者研修8人が修了しています。

また、刑務所・ハローワークと連携して、受刑中から採用を見越した

現場での実習を行い、刑務所に出向き面接を行っています。

さらに、このような社会復帰支援を全国的に広げていくため、平成28年度に「全国済生会刑余者等支援推進協議会」(会長 篠原 栄二・事務局 当センター)を立ち上げ、法務省をはじめとする行政との連携を図り、済生会施設での活動推進に取り組んでいます。

5.受刑者の社会貢献活動受入 2015年4月~

山口刑務所の理容師資格を有する受刑者が、グループホームあさくら、

にほ苑の利用者に理髪を実施しています。実社会での理髪を行うことで、

技術の向上および利用者・職員との関わりを通じた改善更生と社会復帰

支援を目的としています。

活動開始から約100人がこの活動を利用しました。

6.保護観察対象者の社会貢献活動受入 2013年~

犯罪を犯した人や非行のある少年の立ち直りと社会復帰を支援する

取り組みとして、山口保護観察所の対象者が、各施設で介護業務補助や車いす清掃等を行っています。活動を通じて社会性や規範意識もつことや、自分がどれだけ大切な存在であるかということを認識できることを目的としています。

7.自立準備ホーム「なでしこ女子寮」 2017年12月~

なでしこ女子寮は、山口保護観察所から委託を受け、刑務所等の出所後の帰住先が決まらず、行き場のない人に宿泊場所、食事の提供、生活・就労指導などの自立支援を行います。

山口地域ケアセンターの地域医療介護連携室のMSWや看護職員、事務職員のスタッフを中心に安否確認や面談・必要に応じた生活指導行っています。

自然災害後の生活を支える

8.山口圏域ボランティアネット(通称 SYVN)2010年1月~

災害時の緊急支援を医療と介護で結びながら行う、職員によるボランティア組織です。洪水や土砂災害、地震などの自然災害により生活継続が困難になった人たちの救援と復興活動、高齢者・外国人等の生活支援を行うことを目的に活動しています。

平成23年3月に発生した東日本大震災の時には、地震発生の1週間後に医療介護チームを派遣でき、その後、半年間にわたって東北各地に継続支援

した経験を持っています。被災した家屋の清掃活動等で、平成25年7月山口・島根豪雨災害、平成28年4月に発生した熊本地震、平成30年7月豪雨災害の災害復興支援活動をしています。

災害支援を柱としていますが、生活困窮という点ではさらに広範な共通課題もあり、済生会の使命を担う職員ボランティアとしてその活動範囲の拡大に向けて準備をしていきます。

また、防災の視点から毎年、地域の清掃活動にも参加しています。

このページの先頭へ